Lechy

森の精霊。その両頬は青みがかり、しばしば緑色の飛び出した眼と
密生した眉毛をもち、緑の長い髭をたくわえる。
影はなく、一定の身長はない。
森の中を歩くときは、頭が一番高い木々の頂までとどき、
森の外れを歩くときは、木の葉の下に隠れることもできる。
隣人たちの土地は侵そうとしないが、自分の領地を奪われまいと用心し、
人間が森に足を踏み入れると、彼らを迷わせる。
しかし基本的には人が良いので、人間がその呪いから逃れる術を知っている場合は、
最後には釈放してやる。
(木の幹に腰掛け、服を全部裏返すべし。)
猟師や牧童たちは、彼の機嫌を損ねないように、パンや煙草を切り株の上に置いたりした。

妻はレシャチーハ、子どもはレショーンキ。
スラブの森の精というと、
ロシアではレーシィ、レソヴィク、レシャーク、レソヴォイ、
白ロシアではレサヴィク、
ウクライナではリスーン、ボリスーン、
セルヴィアではレスニク、
(ここまですべて、les(森)に由来)
ポーランドではボロヴィ、ボロヴィェツ、ボルータ、
チェコではボロヴィート
(これらはポーランド語のbor(森)に由来)

いくつかの伝説によれば、死すべき運命の人間の女と、悪魔の密通から生まれたという。